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iOSでSMBライブラリを実装する(その5)ホストの検出(ブラウジング)

Windowsでマイネットワークを開くと近くのコンピュータが自動的に表示されます。
これは単純にブロードキャストしてそれぞれが応答をするのではなく、バックアップブラウザを持っているホストに問い合わせをすることで実現しています。

バックアップブラウザはLAN上のコンピュータが自動的に選定されて、どれかがなります。
OSのバージョンによって優先度が決まっていたりしますが、問い合わせるだけなのでその部分はあまり気にしないことにします。

さて、これを実装しようとすると結構面倒で、

1.バックアップブラウザの検索
2.バックアップブラウザからブラウザリスト(ホスト一覧)の取得
と2段階を踏む必要があります。

1はブロードキャストで問い合わせ(GetBackup Request)をすると、バックアップブラウザが応答(GetBackup Response)を返してくれます。
ここで一つ重大な問題があります。

問い合わせは当然ながらIPで行っているわけですが、元はNetBIOSのため、バックアップブラウザが自分に対して応答を返すときに、名前解決を要求してきます。
よってNBNSの問い合わせに応答できるように実装しておかなければなりません。
(IPで送ってるんだからそのアドレスに返してよ・・と思いますがそうはなっていません)

これは本来であればOSの機能なので、アプリで実装してしまうと、他のアプリと同時にポートをBINDしたときに問題が起こりそうですね。

次に2ですが、これはSMBと同じです。
しかし、ダイレクトホスティング(ポート445番)では挙動が不安定でした(Windows7で確認)。
ちゃんとNetBIOSセッションサービスを利用すると安定して取得できます。謎です。

さて、この方法ですと、ワークグループ名の指定が必要です。
また何かしらの理由でバックアップブラウザが存在しないとホスト一覧を取得できません。

以下は禁じ手だと思うのですが、GoodReaderの実装がそうなっていたので紹介しておきます。
確実な方法ですが、ポートスキャンがちょっと攻撃っぽいので今のところComicGlassでは非採用にしました。

1.ネットワークのサブネットマスクからネットワークアドレスとホストアドレスを分離します。
2.全てのホストアドレスのTCP/445番ポートに対して接続を試みます。(つまりポートスキャン)
3.接続できたら、セッションセットアップの途中までやります。途中というのは相手のホスト名が判明するところまでです。(認証の途中)
4.ホスト名(NetBIOS名)が取得できたら切断しちゃいます。

とりあえず上記の方法であればブラウジング機能に頼らずホストを検出できます。ただし同じサブネットの中のみ。
(ポートスキャンしているから当然といえば当然ですが・・・)

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