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iOS上でSMB/CIFS(Windowsファイル共有)をゼロから実装してみる

何故か全くライブラリが見つからないSMB/CIFS。
ググってみても、「SMBのiOSライブラリないの?(そもそもObj-cに限定しなくても無い)」「sambaがGPL、ぐぬぬぬ・・・」という記事しか見当たらない。組込み向けの製品はいくつか見つかりましたが、たぶん個人で買えるようなものじゃない。
きっと実装は厄介なんだろうなと見る気もしてなかったですが、風邪でダウンしていたので、その時に一度気合を入れてテストしてみました。

なお、tangoというOSSがあるようですが、うまく動かない。
恐らく認証関連が古いせいで最近のWindowsでは動かないぽい。
extended security flagが立っていると即座にエラー返すようなのできっとダメだろう、ってことでtangoは諦める。

SMBはSMB1とSMB2があって、SMB2は大きなバッファが扱えて高速LANで効率がいいようですが、NASとかで対応していないものもあるかもしれないし、iPhoneのWifiからではほとんど速度は変わらない(と思う)のでまずSMB1にトライ。(SMB1の仕様書読んでいるうちに、ファイルオフセット指定が32bitしかなく、2G超えるファイルダメじゃん!って気づいたけど気づかなかったことにします:→追記で訂正)

悪名高いMicrosoftの仕様書を読み解くわけですが、SMBは魑魅魍魎な方言やら実はこうでしたー! 残念! みたいな実装があって苦しむと噂には聞いております。

さて、さて、
仕様書読むと案外単純な通信です。
これはいける。

流れは、
・ネゴシエーション
・セッションリクエスト(認証)
・ツリー接続、一覧取得、(ここでパイプ、RPCの仕様書を読まされる(涙))
・ファイル一覧の取得 (ワイルドカード*でFindFileする。ルートディレクトリだと失敗するのでちょっと変える必要ある
・データの転送(実は簡単な命令っぽい)

という感じで、バイナリデータなのでC言語では扱いやすい(はず・・)

しかしセッションリクエストで早速ハマる。

[MS-CIFS]306ページ、2.2.4.53 SMB_COM_SESSION_SETUP_ANDX (0x73)

This command was introduced in the LAN Manager 1.0 dialect.
The formats of the request and response messages have changed since the command was first defined. The CIFS format, as defined for the NT LAN Manager dialect, is presented here. This format MUST be used when the NT LAN Manager dialect has been negotiated.
(後略)

このコマンドはLAN Manager1.0のときの(方言で?)定義された。
このコマンドが最初に定義されてから、リクエストと応答メッセージのフォーマットが変わったよ。

うーん。LAN Manager1.0はIBMの頃の仕様でもう使われていないので、NT LMを使うみたいね。
Wordデータは26 bytesなので、WordCoundは13になるはず??? よくわからん

他の通信をパケットキャプチャしてみるとWordCountが12=24Byteしかない。1バイトどこいったー?

試しにきにせず26Byteで送ってみたら見事エラーでございます・・・。

と思ったら別のファイルの[MS-SMB]の方の53ページにextended security flagを使う時にはSecurityBlobLengthを使えって書いてあった。・・・といった具合に仕様書読むにもコツが必要な模様。

とりあえずWindows7とNAS相手にツリー一覧取得までは出来たので、頑張ればなんとかなるかなー。
どうも一番面倒なのはツリー一覧取得するところだったっぽい。
もう少しちゃんとエラー処理とか、ネゴシエーションやらないと実用的には使えないと思うので作業量は多そうですが。

時間かかる要素その2は、SMB通信に使うNTLMの暗号化をどうするか。
とりあえず外部ライブラリ使って認証が通ることは確認しましたが、ここも自前で実装するとなると読まなければならない仕様書がまた増えて面倒くさい。
まぁ、こちらの方が内容はある程度クリアなので実装することは出来そうですが、まっとうにやったら時間かかりそうです。まっとうじゃない方法探します。

NTLMもUIWebViewでは使えるので、API公開してくれたらいいのに・・・。

ComicGlassへはうまく出来たら実装します。

追記:

だいぶ分かってきました。
上記記述にいくつか間違いがあったので一応訂正。

ファイルのリードについては見ていた資料が古かったようで、新しい資料にはOffsetの上位バイトのフィールドがありました。
(SMB_COM_READ_ANDX==0xeE最後の4バイト,Optinal)
よって2GBを超えるファイルもオフセット付で扱えます。
またTimeoutがTimeout_or_MaxCountHighになっており、ファイルを読む場合はMaxCountHighとして扱うように変わってました。
ネゴシエーションの時に対応非対応を設定できるようです。
(しかしWindowsXPの通信見てみると使ってない・・・)

ときおり出てくるDataOffsetとかの意味がわかって受信データのpaddingサイズ不要が要らないことがわかりました。(DataOffsetでデータの先頭がわかる)

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